植栽などを剪定することで定期的に排出される「枝葉」。田畑や公園からも大量に出る「刈り草」や「落ち葉」。まちの中で役割を終えて切られた植物たちが、そのままの場所で、あるいは作業事業者の所有地などに運ばれて、屋外に山積みで放置されている景色を私たちはよく目にします。それが「野積み」。野積みを行うひとびとも、その多くは悪気がなく、「自分の土地だから問題ないだろう」「ある程度まとまったら処分しよう」などと考えている場合が多いもの。また、まちのひとの目も「植物だからいずれ土に戻るだろう」ととくに問題視されないのが現状です。しかしじつは、この「野積み」がまちの環境にとっては大きな問題。植物材を長時間放置すれば腐敗して悪臭を出したり、害虫が発生したり、景観が悪くなることで不法投棄の対象になるリスクも高まります。癒しの存在だったはずの植物が、逆に土地所有者だけでなく地域やまちにまでストレスを与える存在にもなってしまうのです。植物の未来を、より良いものに変えるために。まちの植物たちのあしたを、「リスク」にしないために。まちに住む私たち全員が意識して、植物たちの「行く末」を見守ってゆくことが求められています。
企業価値を向上させるために、社会から信用を得てビジネスを持続可能なものとするために、あらゆる企業にSDGs達成への行動が求められる現在。植物再生というテーマに取り組むことは「気候変動に具体的な対策を」をはじめ、SDGs 17目標のうち実に3つもの目標に対し具体的に貢献することにつながります。もし社屋、工場、店舗などの敷地から定期的に排出する剪定枝や刈り草があるなら、それらを廃棄物にすることなく再生させるだけでも立派なSDGs活動に。植物材の処分を管理者や外部に一任することをやめ、再生循環を可能とするパートナー事業者を選べば新しく誕生させる植物を取り組みの「シンボル」としても活用できます。このように、植物環境にかかわる取り組みをSDGs活動の一環としてとらえるとき企業にとって注意すべき大切なこと。それがパートナー事業者におけるトレーサビリティです。環境問題への意識が低い事業者をパートナーに選択した場合、せっかくの活動も社会や消費者からいわゆる「SDGsウォッシュ」と見なされるリスクが。かえって企業の信用を落とす結果にもつながりかねません。
郊外の美しい景色の中でしばしば目にするのが、倒木などで荒廃した緑地や、廃棄物の不法投棄。あるいはもし合法であっても環境汚染にもつながりかねないような、土地利用。その背景には、土地の所有者が置かれた厳しい現状があります。もともとは大切な農地や林地だった里山の土地も廉価な輸入材の台頭による林業の衰退、たび重なる台風などの自然災害、あるいは高齢化などをきっかけに土地所有者自身では十分な管理や活用が難しくなることが少なくないのです。荒廃してしまった緑地でも、もし適切な整備が行われていれば、災害による倒木や、土壌にとってリスクのある緑地利用を防ぐことができたはず。いま、私たちに求められているのは、土地所有者の置かれている現状を理解したうえで、まちにも、植物にもプラスとなるような緑地活用を所有者の方々とともに考えていくことではないでしょうか。